プログレ補充電装置

補充電装置

補充電装置

 

 今までも乗らない日が多くバッテリーが放電気味だったプログレですが、年初にコムスを購入してから一層乗らない日が多くなりました。そこでかねてより懸案事項だった“補充電装置”を作ってみることにしました。

まずは試作

 以前試作した時は3.6Wのソーラパネルを使ってみましたが、発電量が少なく失敗しましたので、今回は昔購入した20Wのパネルを発見したので、これを用いてみます。また制御モジュールは前回“降圧型CV / CC”モジュールを使いましたが思わしくなかったため、価格は張りますが“MPPT”モジュールを新たに購入して使ってみます。

 使用するモジュールはLTC3780を使った物で、一般的に太陽光発電で使用されている制御基板に比べて制御電力は小さいのですが、高効率の物を使用してみます。

OBD2結線

OBD2結線

 

 結線に関しては仮設置ですので、前回試したときに行った“OBD2”からバッテリーへ入力する方式にします。また最終的にはソーラパネルの熱で内装を痛めないようにパネル裏に断熱材(キャンプシート)を貼り付けるつもりですが、取り敢えずはソーラパネルが入っていた段ボール箱で内装を保護するようにしています。

補充電装置_試作結線図

補充電装置_試作結線図

 

結線はこうしました。
但し 最終的には専用の配線で接続するつもりです。



制御モジュールの和訳はこれ[TZT LTC3780使用 DCーDCコンバータ_和訳]ですが、どうも説明書の動作と違うような気がします。
おいおいわかってきたことを追加してゆくつもりです。

ソーラパネル仕様

ソーラパネル仕様

 

 使用したソーラパネル:公称20W ,寸法 450 x 360 ← もうちょっと小型の物に換えてみたいと思います。

制御モジュールの調整

 いろいろなサイトを参考にさせてもらったところ、12V鉛バッテリーの場合充電停止電圧は13.7Vに設定されている方が多くいらっしゃるようです。私の記憶では、確か鉛蓄電池の場合2.2V / 1セルだったと思いますので、2.2V x 6 = 13.2V だったと記憶していますが、充電器メーカーのH.P.を見てみると充電に関しては違うようです。
 参考:東京デバイセス 「鉛蓄電池の充電方法: バルク充電・アブソーブ充電・フローティング充電の違い」

 この資料を読んでみると鉛バッテリーの補充電はアブソーブ充電・フローティング充電に相当するようです。ただ今回用意した充電モジュールは、設定電圧になると強制的にフローティング充電になり、設定電流の1/10の定電流充電に切り替わります。そのため設定はCV=13.7V / CC=400mAに設定することにしますので、フローティング充電時の充電電流は40mAとなり、ほぼプログレの暗電流値とひとしくなり、過充電になる可能性はなくなるはずです。
 次に給電停止電圧を5Vに設定しますので、13.7V / 400mAに昇圧するには 13.7V x 0.4A = 5.48W 変換効率を90%以上と説明されていますが、70%と仮定すると使用するソーラパネルは5.48W ÷ 0.7 = 7.8W 有れば足りることになります。そのためソーラパネルに取り付ける逆流防止ダイオードは 7.8W ÷ 5 = 1.56Aとなります。手持ちのショットバリアダイオード1N5819は 40V / 1Aですので、大事をとって2本並列で接続し表向き40V / 2Aとすることにします。
 ソーラパネルについてはいつも最大電力を発揮できるはずはありませんので、ひとまず60%程度と仮定してみると 7.8W ÷ 0.6 = 13W となります。この計算で行けば秋月さんで販売されている12Wのソーラパネルが良さそうです。ま 今回用意したソーラパネルは公称20Wですので、問題はないと思われます。

使用機材

バッテリー逆流防止用ダイオード:1N4007(1000V ,1A)
DC電源(Max24V以上,電流1A以上,可変)
テスター(電圧・電流計でも可)

設定方法

  1. 結線前に各設定用VRを最低値(CCW:販時計方向)にしておく
  2. 出力に逆流防止用ダイオードを接続する
  3. 出力を開放にし、逆流防止用ダイオードを介しての出力電圧を測れるようにする
  4. 入力電圧を出力停止入力電圧(私の場合5V)になる様にポテンショトリマー[ UV-SET ]を調整する
  5. 入力電圧を18Vにし、出力電圧を規定値(私の場合13.7V)になる様にポテンショトリマー[ VOUT-SET ]を調整する
  6. 入力電圧を出力停止入力電圧9Vから最大発電電圧(開放最大電圧)23Vまで可変し、出力電圧が規定値であることを確認する
  7. 出力にダイオードを介して電流計を繋ぐ
  8. 入力電圧を18Vにし、出力電流が規定値(私の場合400mA)になる様にポテンショトリマー[ CC-SET ]を調整する
  9. 入力電圧を5V強から23Vまで可変し、出力電流が規定値であることを確認する

 電子負荷等の仮想負荷がある場合は、負荷を接続し出力が規定電圧になった時の電流が設定電流の1/10になるか確認しておいた方が安心です。

改良(改造?)

ソーラパネル端子ボックス

ソーラパネル端子ボックス

 

 さて ソーラパネルですがバイパス用ダイオードは端子ケースに設置されていますが逆流防止ダイオードは接続されていません。


 

 この際ですからDCジャック(Φ5.5 Φ2.1)と合わせて端子ケースに取り付けました。都合の良いことに接続ケーブルの出口にDCジャックがぴったりです。たぶん汎用ケースを使っているようですので、DCジャック用の穴が開いているのでしょう。

ソーラパネル端子ボックス改

ソーラパネル端子ボックス改

 

 しかし穴の大きさは良いのですが、空いている位置が若干低くうまくナットが締まらないので、今回はホットボンドで無理やり止めておきました。


ソーラパネル逆流防止ダイオード

ソーラパネル逆流防止ダイオード

 

 ソーラパネルは特性上発電しなくなった時には、逆に電力を消費するとのことなので、+端子に1N5819を2本並列接続した物を逆流防止としてDCジャックの+端子に接続しておきました。

設置

 プログレは青空駐車の為、駐車中はフロントガラスにサンシェードを使っています。そのためソーラパネルはリアに設置しました。

補充電装置接続

補充電装置接続

 

 制御モジュールはOBD2コネクタに近い運転席足元に置いてあります。


 調整の終わった制御モジュールをプログレに設置する接続順番ですが

  1. OBD2
  2. 制御モジュール
  3. ソーラパネル(段ボール等を被せておいた方が安心です)

の順番で接続してゆくのが安全だと思います。

 まずは動作確認ですので、制御モジュールは秋月さんで安売りしていた絶縁ケースに入れておきました。
 すべての接続を終えソーラパネルの覆いを取り去ると、緑色LEDが点灯して充電が始まったことが確認できました。

今後

 これから数日間様子を見てゆくことにします。現時点でバッテリー端電圧は11.92Vでしたが、これから数日毎朝バッテリー端の電圧を見てゆくことにします。さて どうなることか楽しみです。・・・・・

バッテリー電圧の推移

2023.09.09 09:00 充電開始時 バッテリー端電圧:11.68V :曇り時々雨
                                             補充電装置を接続するとバッテリー端電圧は11.83Vを示した。
2023.09.10 08:00 充電開始時 バッテリー端電圧:11.89V :午前曇り、午後曇り時々晴れ
2023.09.11 06:00 充電開始時 バッテリー端電圧:11.93V :

計画変更

全様

全様

 

 どうも充電回路が機能していないようで、ピーカンでも”トリクル充電”を示す緑色LEDが点灯します。別のMPPTモジュールに変更してみましたが同じ状態で、バッテリー端子電圧を見てみても12V弱しかありません。何とかせねばとネットをうろついていると、どなたかわからなくなってしまいましたが”省電力パネルの場合、パネルの特性上直結でOK”との情報が得られました。
 そこで、以前却下した小さなパネルが実測5W弱しかない様でしたので、これを試しに使ってみました。


最終接続回路図

最終接続回路図

 

 接続回路はいたって簡単で、逆流防止用ダイオードと動作確認用のLED及び電流測定用の抵抗といたってシンプルな物です。


接続回路

接続回路

 

 さっそくユニバーサル基板で配線し、DCプラグ接続は接触不良が多かったため端子で接続するようにしました。
晴れた日に電流を測ってみると100mA強ある様でしたので、”補充電”としてはまずまずでしょう。


変形したソーラパネル

変形したソーラパネル

 

 しかし 2日ほど様子を見てみると、このところの異常な暑さのせいかソーラパネルが変形してしまいました。



 発電はしているようで、これでしばらくは何とかなりそうですが、あまり気持ちの良い物ではありません。
 折を見て”秋月電子”さんで取り扱っている”12v 5W”のパネルを入手して交換するつもりです。