ステアリング

ステアリング

 

カミさん用のルーミーですが、私は手汗をかくので樹脂のステアリングだとあまり気持ちが良くないし、カミさんは“冷たいハンドルは嫌だ”とのことなので、ステアリングカバーを付けることにしました。



色々探してみましたが、被せるタイプだと太すぎるしズレそうで“どうもな?”の感じですし、ネットを見ていると結構な数で“本革ステアリングカバー”がヒットします。と云うことでせっかくなら“本革編み上げ”に挑戦してみることにしました。

本来なら“栃木レザー”等の日本製に憧れますが、お値段が高く今回も“某国”から購入することにしました。たぶん2~3年で取り換えることになると思われるので、こちらであれば送料込み$10程度で入手出来ます。

準備

カバー加工

発注して10日ほどで(この頃やけに納期が短くなっているように思います)届きました。開封してみると革用糸4m 2本と革用の針 2本が入っていて買い足す物は無い状態です。

幅確認

幅確認

 

カバーをステアリングに被せてみると、きつめですがしっかりと被せました。
が 巾が広く、革なので伸びることを考慮して、糸穴を基準に左右をほぼ均等に取り除き、幅を握り部の円周より2mm短い98mmに切断しました。


幅&縫合せ部修正

幅&縫合せ部修正

 

切断はカッターナイフを使いましたが、あまり力を入れないで何度も歯を当てることで結構きれいな断面になるようです。毛羽立ったところは、後でよく切れるはさみで処理しておきました。


幅を狭めたことで、合わせ目を縫合せていた糸が切れてしまったので、ここも縫い合せる必要が出てきました。

縫合せ部用針

縫合せ部用針

 

購入した糸では太すぎるし穴も小さいので、カミさんの持っている針の針先を加工してしまうと怒られるでしょうから、百均で縫い針セットと糸(ポリエステル)を購入し、ネットの情報を見て使用する針の先端をやすりで削り、革に刺さりにくくして使用しました。


元々の縫い合せ方とは違うのですが、取付前の予行演習を兼ねて、ネットで確認した“2本針ベースボールステッチ”とやら言う縫い方で縫い合せました。
本当は黒い糸が良いのでしょうが、“進んだ老眼”の“ジサマ”にはつらい物があり、見やすい“空色”の糸を使っています。
試しに縫う長さの7倍の糸を使ってみましたが、ほぼ5倍強の長さで足りるような感じです。

色々試してみましたが、5針前後縫い進める毎に糸を締める方法が良さそうです。10針以上糸を締めないでおくと、締めこむ時に糸が絡みやすいうえ、最後の方まで締めこめない事が分かりました。

縫合せ部

縫合せ部

 

他に、カバーに空いている糸穴すべてに一度針を通して穴を広げておきました。数か所針が入らない穴が有り、かみさんの千枚通しを借りて何とか貫通させておきました。



ステアリングへの取り付けですが、先程縫い合せた縫い方“2本針ベースボールステッチ”で縫い合わせてみるつもりです。

カミさんにお伺いを立てると“どうせなら糸は青の方がいいのでは?”とのこと、確かにそう言われてみればそうも思えたので、ジョイ○○2のレザークラフト売り場で車体色と似た色の糸を買ってきました。糸は\300ぐらいで20mあります。たぶん4本分ぐらいあるのではないかと思いますので、失敗しても何とかなるでしょう。

糸の違い

糸の違い

 

付いていた物と比べてみると、付いて来た赤い糸はロウ付けではなく編み込まれた細いロープのようなもので、こちらの方がなんだか高級感があります。



購入した“ロウビキ糸-太(約1mm)”はしっかり蝋が付いていてベタベタしましたので、ネットに書いてあったように余分な蝋を処理してみました。

私は使わなくなった“ホットプレート”にアルミホイールを敷き、必要な長さの糸を重ならないようにキッチンペーパーに挟み込み、アルミホイールの上にさらに新聞紙を重ねた上に置き、約110℃(保温)に熱して処理してみました。

加温終了後_古新聞

加温終了後_古新聞

 

溶けだしたロウは古新聞までは染み出していましたが、アルミ箔までは届いていませんでした。


挟んだキッチンペーパーの状態ですが、しっかり溶けだしたロウを吸取ったと思われる状態でした。

しごき落したロウ

しごき落したロウ

 

状態を見ながら加熱は約10分で終了し、糸をぼろきれでしごいて、余分なロウをしごきとりましたが、結構取れたようです。


処理後のロウビキ糸

処理後のロウビキ糸

 

前後しますが、少々貧乏くさいのですが、この時蝋を吸わせたキッチンペーパーで百均で購入した縫い合わせ用の糸にロウビキしておきました。


治具

糸ふけ取り(?)

家にあったフック

家にあったフック

 

実際に作業された方の情報によると、縫い合わせた後糸の緩みを取るための道具が必要とのことですので、買い置きの有ったフックを考えましたが、どうも太すぎて使えそうもありません。やすりで細くすることも出来ますが、真鍮製ですので強度に不安があります。


百均_バス釣り用フック

百均_バス釣り用フック

 

カミさんの買い物のお供でスーパーに行ったついでに、同じ敷地内にある百均で探してみると釣り具コーナーで“バス釣り用の針”が目に留まりました。太さと強度も良さそうです。


加工前

加工前

 

買って家に戻ってみてみると使えそうですので加工してみます。


ふけ取り_加工部

ふけ取り_加工部

 

先端の鋭い所は“返し” の根元をやすりで傷を付けてペンチで折取り、折った跡をやすりで丸めました。


ふけ取り完成

ふけ取り完成

 

これを割りばしに挟んで凧紐で固定しました。
出来上がった物を引っ張て見ると、なかなかな物に仕上がっているようです。



針置き

針置用のマグネット

針置用のマグネット

 

これは作業中に急遽用意した物ですが、家にあった百均で買ったであろうマグネットです。二本針で縫うことと、針孔が解るように使う針を置いておくために使いました。
作業中に針を探すことが無くなり、これを使うと作業がはかどりました。


朝から取付

カミさんは15:00~17:30の間車を使うので、15:00前に作業終了することが必須です。色々な方の作業を見てみると、どう見ても私の場合は6時間では足りなそうです。そのため朝5:30に作業を開始しました。

縫う順序

縫う順序

 

縫い方はスポーク間毎の3回に分けることにします。ロウ抜きした糸は約10m用意しておきました。


カバー位置決め

カバー位置決め

 

当たり前ですが、最初にステアリングホイールにカバーを被せます。この時縫い合わせ部をどこに持ってゆくかですが、私は3本あるスポークの下中央にしました。


縫い始め

縫い始め

 

位置が決まったら、下のスポークの左側から時計方向に縫い進んでゆくので、ずれないようにスポークの右側と上部を紐できっちり縛っておきました。



ネットの情報を基に用意した糸は、縫う長さの7倍とのことでしたが、縫い合わせの時の経験と足りないと大変ですので、最初はスポーク部の長さの4倍(平縫い)とステアリング部の長さの9倍(ベースボールステッチ)の2.0mで縫ってみました。

スポーク部

スポーク部

 

縫はじめは体裁を考えて、スポークの右側から正面側に“平縫い”とかいう縫い方でスポーク左側根元まで縫い、


ここから“2本針ベースボールステッチ”で縫い上げてゆきました。
作業は単純な繰り返しで、やっているうちにどっちが上か下かわからなくなります。エンジンを掛けては、ステアリングを縫いやすい角度にしながら、適当に休み休み縫い進めました。
針が行方不明になることが何度かあったため、途中でマグネットを持ち込み“針置き”代わりにしましたが、結構使い勝手が良かったです。

次のスポーク右側で一度縫い終わりの処理をして、余っている糸でスポークの裏側を“平縫い”とかいう縫い方でスポーク根元左側まで縫い縫い終わりの処理をしました。

同じ作業を繰り返して、縫い終わったのは11:30でした。

縫い終わった後、左右のスポークの部分を出来るだけプラスチックカバーの下に押し込んでおきました。

途中朝食が入りそれ以上に休憩が多くなり、思った以上に時間が掛かりました。

最終的に使用した糸の長さとかかった時間は

第一部終了

第一部終了

 

第1部:用意した糸=200cm(スポーク部の4倍+ステアリング部の9倍) 残=80cm 時間=1:30


第二部終了

第二部終了

 

第2部:用意した糸=320cm(スポーク部の4倍+ステアリング部の6倍) 残=110cm 時間=2:00


第三部終了

第三部終了

 

第3部:用意した糸=150cm(スポーク部の4倍+ステアリング部の6倍) 残=20cm 時間=1:00

第3部はちょっと糸が短かったと思います。180cmぐらいが正解だと思われます。


後片付けも終わり、カミさんに作業完了報告をするとさっそく見に来て「なかなかの出来じゃない」とのことでした。
昼食後近所を走ってみましたが、革にべとつきが感じます。果たしてカミさんはどのように感じるのか・・・・・。運転前後の布拭きを一月ぐらいすれば、何とかなるのではないかと期待しています。

終わってみて

終わってみてわかったのですが、縫い始める前に縫い合わせる糸穴を出来るだけ同じ位置になる様にしておいた方が良いようです。ステアリングスポークの左右と長い部分の中央部に、縫い込む糸とは別に終端処理の方法で仮縫いしておくと良さそうです。

縫い目のズレ

縫い目のズレ

 

私は適当に合わせ、仮止めはただ縛っただけだったため、縫い目がずれましたし、スポーク部の表裏で穴数の違いが出たりして、終端処理が汚くなってしまいました。


スポーク部の後ろ側も縫込み

スポーク部の後ろ側も縫込み

 

また スポークの部分ですが、スポークとステアリングに段差があり、縫い上げ終わってみるとスポークにかかっているところがブカブカしています。
特にハンドルを握った時に、スポーク裏側に違和感があります。
賛否両論あるようですが、スポークとリングの合わせ目を両面テープで止めておいた方が良さそうです。仕上げ後両面テープで何とかしようとしましたがうまくできませんでしたので、縫い始める前に処理しておいた方が良いようです。



作業中、針を革の裏側から通す時穴が分かりにくく、私は検討を付けるため表から別の針を裏に見えるまで刺して、穴の目印にして針を通すようにしました。
ペンシルライトを使って照らしてやるとの情報もありましたが、革の裏側はボサボサでとても穴の位置が分かるようなものではありません。細いパイプがあれば、それを表から刺してそのパイプの穴に針を入れて導くと楽かもしれません。但し外径1.5mmの金属パイプを入手出来るか疑問ですが・・・・・

それと 作業した2022.04.22は天気が良く暑く、8:00過ぎには汗だくになってしまいましたので、涼しい時期に作業した方が良いのではないかと思います。

本当はステアリングをハズして作業した方が、ステアリングスポークの裏側を含めてやりやすいのでしょうが、何とかできましたので、良しとします。(自己満足ですが・・・・・)

以上を次回の教訓としておきます。(”次回”は何年先のことになるのかわかりませんが・・・・・)