エアーリフト式底面フィルターのメリット・デメリット

エアーリフト式底面フィルターは、濾過能力も高く構造が簡単なため故障が少ないうえ、メンテナンスも楽なので使っています。しかし反面、音が大きい・水撥ねのデメリットがあります。

この欠点を補うために制作しました。結構効果があるため、全ての飼育水槽に使用している物です。

生き物の部屋_フィルター_00仮にくみ上げた物がこれです。消包(消音)器の下部にあるジョイントは、プロテインスキマーの効果を狙って付けた物ですが、水泡と化した遺物です。(発生する気泡が大き過ぎて役目を果たしませんでした。)


実際に水槽にセットした時の水面の様子はこのようになります。

適正水位適正水位の時;水泡の発生はありません。
減水時減水水位の時;水面に気泡が発生し、水撥ねします。

構造

エビの飼育に関しては、水流が弱い方が良いとのことなので、上がってくる水流は水中へ流し、泡だけを消包器(消音器)を介して放出するようにしました。

構造図構造です。

上がってきた水は、水中のパイプ状ネットから水中に返るようにし、水中の傘は、泡(リフトエアー)を水中に放出しないためです。(流体は抵抗の少ない方へ移動することを利用しています。)

傘の下部は、減水時設定水位以下になるようにします。(下が水没した状態にしないと、水泡が発生し水撥ねが起こります)

消包器(消音器)下部の穴は、エアー及び上がってきた泡及び水を排出するための物です。
用意する物

  • エアーリフト式底面フィルター:私は「バイオフィルター」を使用していますが、なんでもよいと思います。但しその時にはパイプ径を使用するフィルターに合わせて作成してください。
  • 小さなペットボトル:某メーカーの112mL乳酸飲料の物を使っています。2個

生き物の部屋_フィルター_04

  • 追加工する立ち上げパイプ
  • M3程度の樹脂ネジ(タッピングダイスが無い時には同じネジ系の金属ネジ)
  • 鉢底ネット:嵌合部を含めてパイプ状にした時に、高さ100mm程度になる物(形状維持用にテグス等の縛る物も)
  • O-リング:適時

作り方

使用部品構成部品です。

このほかに以下の物が必要です。

・底面フィルター(当たり前か)

・エアチューブ

・エアーストーン

・抜け止め(樹脂ネジ等)


  1. 最大水位 YHmm、最低水位 YLmm、水底の厚みTmmとします。
  2. 最高水位を傘の口下部分とします。(足し水の時の目安にするためだけです、傘の下が水中であれば何処でも何処でも大丈夫です。)
  3. 消音器の底にエアーチューブ外径より若干小さめの穴を空けます。(私はΦ5.8の百均ドリルを使っています。)また肩口にエアー及び上がってきた水の排出口(Φ5.8)を開けます。
  4. 追加するパイプに被るように、鉢底ネットでパイプを作ります。
    • 傘の口にパイプと入れる部分約20mmは重なる部分をなくしておいた方が、組み立てるとき楽に組み立てられると思います。
  5. 若干底面フィルターに手を加え、立ち上げパイプ部分を掃除するときに間違って立ち上げパイプ取付部まで取れないようにしておきます。
    • 抜け止め画像のようにネジ等で抜け止めを追加しておきます。使用する材質は樹脂がベストだと思いますが、入手しにくいときはSUS304でも良いとは思います。
  6. 各部品を組み立てますが、エアーストーンは下側パイプの中に入るように設定します。あまり深く入れる必要はありません。

※ 水中に入れるブブだけでも「シリコンチューブ」にしておくと、後のメンテナンスが楽です。耐久性もあり最終的には安上がりだと思います。

※ エアーリフト用のエアーストーンは安価な「プラストーン」で十分な気がします。汚れても濃いめの漂白剤に一晩漬けておくときれいになりますし、漂白剤に関しては40℃程度のぬるま湯に浸けると塩素は抜けます。

※ 使っているうちに立ち上げパイプから上が汚れてきます。この部分だけを掃除するとき、底面フィルターの中に生体が張り込むので、長めのパイプを用意し差し替えることで対処できます。

清掃時清掃時に一時的にパイプを立てているところです。

今後

今回紹介した物は市販のペットボトルを使用していますが、消泡(消音)器がおまだ大きいと思いますので、いつになるかわかりませんが、3Dプリンターが完成したら色々と試してみたいと思います。