全ての水槽の濾過方式が「底面フィルター」で立ち上げ後3年以上たち汚れが目立ってきたので、天候を見ながら順にリセットし出しました。

 水槽のリセットには最低二日間かかるため天候等を考えると、全ての水槽を完了するまでまだ数か月かかると思いますが、今度は水草(モスやアヌビアス・ナナ等)に肥料を使ってみることにします。鉄剤(メネデール)と液肥(ハイポネクス原液・ハイグレード開花促進)は持っていますが、ほとんど使ったことはありませんし、カリウム水溶液は持ち合わせていません。

 どうしても「南米モス」をうまく育てたいので、某オークションで落札し出品者さんにお伺いしたところ、やはりLED照明の光量が足りないことと、栄養素が足りていないようで、特にカリウムが足りていないようで、コケ(アオミドロ)の発生はこれが原因だったようです。

 光量に関してはLED照明の基板作成も佳境に入り、あと二月程度で何とかなりそうですので、「カリウム水溶液」を何とかしようと思います。市販されている物を購入すればよいのでしょうが、どう考えても高すぎますので、自作することにしました。

情報集め

 まずは情報を集めましたが、炭酸カリウム(K2CO3)の10%(wt%)水溶液を使用すれば良い様ですので、食品グレード(純度99.5%)の物を某オークションで300g購入しました。
 炭酸カリウムは吸湿性が高いので、保存する際は注意が必要です。私はジッパー袋を二重にしてからタッパーに入れておきました。

 

作成するときの注意点

 そこで炭酸カリウム水溶液の作り方ですが、間違った情報が多すぎるようですので気を付けるようにしてください。

 今回作る炭酸カリウム水溶液の場合あまり問題にならないのですが、化学物質を混ぜ合わせる場合発熱反応と吸熱反応があり、今回の炭酸カリウム水溶液を作る場合は発熱反応になります。発熱反応の場合は『水に少しづつ炭酸カリウムを溶かす』ことが正しい方法です。炭酸カリウムの場合あまり急激な反応ではないため問題にならないようですが、このことは鉄則です。

 昔中学の理科で『水溶液を作るときには、水に少量づつ薬品を溶かしてゆく』と習ったはずです。(私は今から50年以上前に習った事ですが、現在もそのように書かれていると思います。)もし炭酸カリウムの発熱反応が硫酸と同じようであれば重大な事故になります。
 これは「突沸」といわれる現象で、急激に温度が上昇し液体が沸騰して飛び散る現象のことで、温度もさることながら飛び散る液体が危険物であればあるほど危険度が増します。

 今回の炭酸カリウムの場合それほど発熱反応が強くなく、問題ないとは思いますし、温度が上がることで溶解(溶ける)易くなるため、このように書かれているとは思いますが、実際には炭酸カリウムの溶解度は大きく、20℃ 100gの水に112gの炭酸カリウムが溶けますので、100gの水に10gを溶かすのであれば、わざわざ溶液の温度を上げる必要は無いと考えられます。

 他の薬品を取り扱う場合も考えると、ここはやはり標準的な方法を用いる習慣をつけることが重要だと考えます。わかっていてやれば問題ないのでしょうが、注意が必要です。『自己責任で』等書かれていますが、余りにも無責任だと思います。

作り方(溶かし方)

 さてこのぐらいにして、実際に「炭酸カリウム水溶液(10wt%)」の水溶液を作ります。この液体は強アルカリですので、取り扱いには十分注意してください。特に小さなお子さんがおられる方は、絶対お子さんの手の届かないところで管理することが大切です。

 

用意する物

用意した物

用意した物

 

水(カルキ等を出来るだけ含まない物)

炭酸カリウム(当たり前)

容器

実際の作業

 今回用意した容器はカミさんの使い終わった化粧品の容器です。結構きれいで、内容積150mLと大き過ぎず・小さすぎずと思いこれにしました。百均で気に入った物を探したり、こだわりが無ければ空いたペットボトルでも良いと思います。これに100g(100mL)の水にました。これでは実際には10wt%にはなりませんが、大体でOKとします。
 もし正確な濃度を求めるの出れば、50gの水に炭酸カリウム10gを溶かしたあと、水を足して100gにすればよいと思います。(昔は容積で濃度を決めることが多かったのですが、この頃は正確さを求めるため(高精度のは秤が入手しやすくなったのもあると思います)重量%(wt%)を用いることが多くなりました。)

 

方法

炭酸カリウム 10g

炭酸カリウム 10g

 

炭酸カリウム10gを用意します。

水100g

水100g

 

水100gを用意します。

風袋(容器)の重量をキャンセルして計っています。
このような機能を持っている秤が\1、000程度で買えるようになっているとは・・・・・

溶解前

溶解前

 

水100gに少しずつ炭酸カリウムを混ぜてゆきます。

溶解直後

溶解直後

 

容器の蓋を閉じ、よく振って混ぜ合わせます。

完全溶解

完全溶解

 

完成

使用方法

 以上ですが、最初のは週一回行う水足し時に60cm水槽で2mLぐらい炭酸カリウム水溶液を加え、月一回メネデール1mL ,ハイポネクス ハイグレード開花促進1mLを加えて様子見をするつもりです。

 これで「南米モス」がうまく育つと良いのですが、どうなることでしょう。乞うご期待!!