現在使用しているオシロは、40年近く前の岩通製オシロ(DS-6612)とPC接続のUSBオシロですが、ちょっと波形を見たいときにPCを持ち出したり、結構大型の物を持ち出すのも面倒に感じていました。
 それほどの高周波を扱うこともほとんどなく、そのうち購入したいと思っている卓上オシロを入手するまでのつなぎのオシロを探すことにしました。

 条件としては

・ 小型
・ 単一電源仕様
・ 100kHz程度まで使用可能(DDSでしょうからサンプリングは1MHz以上か?)

としました。

DSO138mini に決定

完成

 

 あちこち探していると結構いろいろあります。有名どころでは秋月さんの「06204KPL」や「DSO FNIRSI-150」がありますが、どうもしっくりしません。安価な物で探していると「DSO FNIRSI-138」と「DSO138mini」が見つかりました。「DSO FNIRSI-138」を購入されている方が多いようですが、電源が9Vであったり、LCDとの接続部分に問題があるようなことが見受けられましたので、まだ少数派ですが「DSO138mini」を選択しました。
 「DSO138mini」の電源は3.3V~6Vの単一電源とのことですので、モバイルバッテリー(購入後分かったことですが、USBでの電源供給の時本体の電源スイッチは機能しません。)やリチュームイオン電池にも対応できそうです。アクリル製の専用ケースも販売されていますが、外部電源や電池でも使えるようにしたいので、品物が届いた後ケースを自作することにしました。(外部トリガー入力がサポートされるようになって、うまくすると2台を一つのケースに入れ、疑似2chオシロに出来るかもしれませんし)

発注しました。

 某国へ発注後5日かかって発送され、その後15日かかりトータル20日で無事到着しました。今回発注した物はBNCコネクタ仕様の物ではありませんでしたが、それほどの高周波を取り扱う予定はありませんし、実際に使用するうえではICクリップで使える方が使い勝手が良いと考えました。もしBNCコネクタを使いたいのであれば同梱されているKitもありますので、そちらを購入するという選択肢もあります。(入手後気が付きましたが、BNCコネクタ使用可能の物(切替スイッチが横型の物らしいです)が、外部トリガー入力可能のVer.のようです)

 詳しい組立については「ひろぅ★こんぱいる」さんの記事が判り易いと思います。「2000円未満で買える!格安中華オシロDSO138miniが結構遊べた件」、URLは「https://phillowocompile.blogspot.com/2019/10/2000dso138mini.html」で「その1~3」がありますが、その後このオシロをゲーム機に改良されていました。

「DSO138mini」の仕様は以下の通りです。

仕様:

アナログ帯域幅:0-200KHz(これは?ですが)
サンプリングレート:最大1Msps
感度:10mV / Div-5V / Div
感度エラー:<5%
垂直解像度:12ビット
タイムベース:10us / Div-500s / Div
レコード長:1024ポイント
内蔵1KHz / 3.3Vテスト信号
波形凍結(ホールド)機能が利用可能
波形の保存/呼び出し
シリアル波形データ出力

     Y軸

チャンネル数:1
アナログ帯域幅:0-200KHz
感度:10mV / Div-5V / Div
感度エラー:<5%
解像度:12ビット
入力インピーダンス:1Mオーム
最大入力電圧:50Vpk
カップリング:DC、AC、GND

  X軸

最大リアルタイムサンプリングレート:1Msps
タイムベース:10us / Div-500s / Div
レコード長:1024
 トリガー
トリガーモード:自動、標準、シングル
トリガータイプ:立ち上がり/立ち下がりエッジ
トリガー位置:固定バッファーサイズの1/2
  表示:320 x 240解像度の2.4インチカラーTFT LCD

  電源

3.5V-6V DC
電流:120mA @ 5V

組立

届いた状態

届いた状態

 

 それではさっそく開封します。箱はつぶれていますが、中の部品は大丈夫なようです。大陸から購入した物は、大体このようになっていることが多いですので、気になる方は覚悟しておいた方が良いと思います。私の場合「どーせ捨ててしまう物」なので、中身さえ無事であれば気にしませんが・・・・・

 

 早速開梱し部品を確認してみます。何とラッキーなことにBNCコネクタが同梱されていました。これだけでも¥150はします、ずいぶん豪気なことです。
 入力がBNCコネクタですと手持ちの1:10のプローブも使用できますが、簡単な接続がしにくくなってしまします。そこでBNC→RCAの変換コネクタを急遽発注しました。と云っても某オークションでの落札ですが。

LCD基板_部品面

LCD基板_部品面

 

 親切なことに、個人(老眼?)では半田付けするのが大変なチップ部品は、すでに半田済みです。

 

 最初にLCD基板(メイン基板)のみで、電源(左横にあるMicro USBにて供給)を繋ぎ動作確認をします。動作を確認できたら組立です。

Analog基板_部品面

Analog基板_部品面

 

 さっそく半田付けに入りますが、ここで使用されている抵抗は1/8Wで非常に小さく、老眼の私はルーペとテスターで確認しながら作業しました。
 なお インダクタが2個在りますが、形は抵抗に似ていますが若干大きいこととベースの色が緑がかっていますので、十分注意して選別してください。また 私もやってしまいましたが、見た目は抵抗に似ていますが、外力には思いの外弱く簡単に折れてしまいます。取り扱いには十二分に注意が必要です。(この破損のため、組立が4日ほど中断しました。)

 半田付けに関しては、基礎通り背が低く熱に強い部品から半田付けしてゆけば間違いないと思います。それほどの数ではないので焦らず気を付けて作業してください。LCD基板(メインボード)はコネクタ3個のみの半田付けで、アナログ基板についてもそれほど混み合っていないので、注意して作業すれば問題ないと思います。

 破損したマイクロインダクタですが、何Wの物か検討が付きませんでしたので、大は小を兼ねるので今回は1W(0510?)の物を使いましたが、どうも付属していた物は、0.25W(0307?)または0.5W(0410?)ではないかと思います。試しに2種類を発注しておきましたので、届いた後に報告させてもらいます。

 半田付けが完了しましたら、いよいよ動作チェックです。メーカーのホームページ(com JYETech Ltd.)から「TroubleshootingGuide_138mini」と「UserManual_138mini」をダウンロードしておきます。結構判り易く書かれていますが、如何せん英語ですので「Google」さんで和訳して使用しました。変な訳になっているところもありますが、必要な方はお使いください。Wordとpdfの両方をアップしておきますので、お好きな方をお使いください。

DOS138miniトラブルシューティングガイド_Word

DSO138mini使用方法_word

DSO138mini操作マニュアル_word

DOS138miniトラブルシューティングガイド_pdf

DSO138mini使用方法_pdf

DSO138mini操作マニュアル_pdf

 本体が完成したら、まずはプローブを作ります。RCAコネクタにICクリップを付けたリード線を半田付けした簡単な物です。ICクリップの色は手持ちの物で、リード線の色と違っていますが、機能には問題ないので良しとしました。

調整

 基板同士を合体させた物にUSB経由で電源を供給しました。ここで気が付いたのですが、電源スイッチはバッテリー用の電源の物で、USBからの電源には繋がっていないようですので、気を付けてください。

 オシロの電源を入れオシロが立ち上がったら、調整をします。

  1. プローブの+極をチェック端子に接続します。
  2.  チェックシートの手順に従ってオシロを設定します。

a.     始めにC4の調整です。[ SEN1 ]=0.1V,[ SEN2 ]=x5,[ CPL ]=ACまたはDC に設定します。

b.     [ SEL ]でTime Base(掃引時間)を選択し、+ / -ボタンでTimeBaseを0.2mSecにします。

c.      LCDの波形を見ながら、きれいな方形波を表示するようにC4を調整します。
 この時C4やC6のトリマーコンデンサの調整部が小さく、私の持っているセラミックドライバーは使えませんでしたので、大き目のマイナス精密ドライバーを使用しました。

d.     次にC6の調整です。[ SEN1 ]=1V,[ SEN2 ]=x1,[ CPL ]=ACまたはDC に設定します。

e.      Time Base(掃引時間)は0.2mSecのままで、C6でc.同様にきれいな方形波が表示されるように調整します。
 この時金属製のドライバーを使うため、C6にドライバーを接触させると表示が乱れますが、ドライバーを離して波形を確認しながら少しずつ調整しました。

 以上で調整完了です。電源を切り、基板を分離して半田付けのフラックスをアルコール洗浄しておきました。

 乾燥完了後再度組立調整を行いました。組立後本来であればファンクションジェネレータで動作確認したいところですが、発注した電源が届いていないため、急遽タブレットに20kHz前後までしか発生できない物ですが、ファンクションジェネレータのアプリをインストールして波形を見て見ましたが、このアプリ(タブレット)では周波数が高くなるにつれて出力電圧が劇的に下がるようです。実際にイヤホン等で聞いてみると、何しろ「じじい」ですので、加齢による聞き取り可能周波数が下がったのかと思いましたが、出力波形を見ると出力が下がっていたとの落ちがありました。

プローブ比較_50kHz

プローブ比較_50kHz

 

 しょうがないので手持ちの大陸製PWMジェネレータで動作確認をしましたが、PWM信号では100kHzは?で50kHzぐらいでは何とか使えそうです。
 思いのほか使えそうです。後はファンクションジェネレーターが完成した後、どの程度の周波数まで使えるか確認することにします。

 ここで、このKitにはバージョンが2種類あり、私は運よくアナログ基板のバージョンが「Ver.J」を入手しましたが、若し自分でケースを創ろうとする場合、「Ver.H」では切替スイッチのタイプが違い、ケース加工が面倒になると思います。ケース付のKitを購入されるのであれば問題ないと思いますが・・・・・。

 完成後メーカーのフォーラムを見ていると、外部トリガーの入力が出来るようです。もしトリガー信号を出力することが出来れば、疑似2chオシロにすることも可能ではないかと『妄想』が膨らみます。いくら帯域が狭いとはいえ、曲がりなりにも2chになりますので、よほどの高周波を扱わない限り、趣味の電子工作の範囲が広がるのではないかと思います。

Analog基板_部品面

Analog基板_部品面

 

 アナログ基板にある、この謎のユニバーサルスペースが役に立つかもしれません。

 このことが確認できるまで、しばらくケースの制作は待つことにしました。

作ってみて気づいたこと

 数回使って分かったことを報告します。

1.     電源スイッチは「USB給電」では機能しない。

2.     バッテリー直で(オプションの充電ボードを使わない場合)バッテリー駆動する場合、アナログ基板半田面にある「J4」をショート(半田で結線する)しないと、バッテリーから給電できない。

3.     信号入力にBNCコネクタを使いましたが、この程度の帯域で本格的プローブは必要ないですし、何よりもコネクタが大きすぎ、本体とのバランスが悪く使い勝手も良くありません。付属のJST XH2.54用圧着機が無いのであれば、基板用RCAコネクタを使うように基板を加工するのが良いのではないかと思います。

4.     設定方法

a.     設定項目の選択は左下にある「SEL」ボタンで、インクリメンタルに設定項目を変更する。
  選択項目は「水色枠」で囲まれるか、項目の表示色が「水色」になることで判断する。

b.     希望の設定項目で「+」「-」ボタンを使い、設定値を変更する。
  しばらく待つと変更した設定値が保存され標準の画面に戻るが、「OK」ボタンで抜けることもできる。

5.      便利な機能

・  工場出荷時の設定値に変更する場合、「+」「-」ボタンを同時に3秒間押し続ける。

・   縦軸(電圧軸)の校正は、縦軸設定を選択し、表示されて画面の指示に従い構成する。

・   「Time Base」の設定にし、「+」「-」ボタンを同時に3秒間押し続けると各実測値が表示される。
  必要の無いときは同様に「+」「-」ボタンを同時に3秒間押し続けると表示が消える。

・   トリガーレベルを波形の中央値にしたい場合、「トリガー位置表示のマーカー」を選択し、
  右端の「OK」ボタンを3秒間押し続ける。

・   「Trigger」モードを「Ext(外部トリガー)」にすると、LCD基板(メイン基板)右にあるPB15へ入力される
  TTLまたはLVTTL信号で、トリガーがかけられる。(らしい。未確認)

性能評価

 手持ちの大陸製PWMジェネレータを使って評価しましたが、そもそもこのPWMジェネレータの刷毛は如何なのかと思い、数十年前の岩通製オシロ「DS-6612」で波形を確認してみました。このオシロは当時としては上位機種でデジタルストレージ機能ももった物で、帯域は60MHzの物です。確認したのはアナログモードです。

 またDSO138miniのプローブによる比較もしてみました。比較したのはUSBオシロに付属していたプローブと、今回作ったRCAコネクタにICクリップを付けた物です。

 比較した結果は個人の見解ですが、50kHzぐらいまでは許容範囲ではないでしょうか。この程度までであれば、何もBNCにする必要は無く、かえってRCAコネクタ等の方が使い勝手が良いのではないかと思います。BNCを半田付けしてしまうと後からの変更が大変になるので、これから作られる方は、よく考えてからにした方が良さそうです。

ファンクションジェネレータで確認しました。_2020.04.06追記

  懸案の「ファンクションジェネレータ」がある程度改良されましたので、確認試験をしてみました。kitの「ファンクションジェネレータ」製作記事は別途公開する予定ですが、オペアンプの変更とパスコンの追加で使い物になりました。基本オペアンプの電源ラインには、たとえおまじないなのかもしれませんが、パスコンを入れておくものと考えています。
 この「ファンクションジェネレータ」で発生させた、1000Hz・25kHz・50kHzの矩形波・Sin波・ノコギリ波の測定画面をDS6612と比較してあります。

 感想としては、やはりタイムベース(時間軸)が最高10uSecでは「測定できる」のは、「25kHzまでと考えたほうが無難なのではないか。」です。
 但し価格を考えると、アマチュアがテスターの次に購入する測定器としては、十分使えるのではないかと思います。これ以上の性能が必要になった場合次の段階に進めば良いでしょう。デジタルオシロもずいぶん安くなり、¥50,000も出せば使える物が手に入るようになっていますので。