秋月さん取り扱いSainSmart(サインスマート)製 DDS K-09987の制作

ファンクションジェネレータ

ファンクションジェネレータ

 

 プログレの「純正オーディオAUX乗っ取り」にスマホから音源を入力するときに『音量が足りない!』ため「プリアンプ」を追加することにしましたが、増幅倍率決定に必要な音源を作るためもあり「シグナルジェネレータ」を作ることにしました。


 使用するのは、以前面白そうなので購入していた「DDS Signal generator」を作り使うことにしました。今にして思えば「FG-100 DDS FUNCTION GENERATOR」等の単電源駆動の良い物がありますが、それほど使用頻度もないでしょうし、追加購入も何なので手持ちの物を使います。

 制作後気が付きましたが、このKitは±12V&5Vの電源が必要な物で、これから作ろうと思っている方は単電源の物を購入された方が使い勝手が良いのではないかと思います。

 購入するうえでの注意点

 まずKitの部品確認です。電源を除けば問題ないようです。電源については何か見つけるつもりです。電源容量については秋月さんのHPに記載があり、+5V:30mA (typ. ),±12V: 0.5mA (typ. 出力無負荷時)とのことです。

 

Kit製作

 お決まりの「背の低い物から半田付けする」方法で半田付けします。人それぞれの方法がありますが、私は抵抗等の部品面から半田付けできる物は、まず部品面から仮半田をし基板を裏返しても部品が落ちないようにして、出来るだけ配線面の凹凸を減らすため、正規の半田付け前にリード線等を切断しておき、仮付けした以外の足を半田付けした後、全ての足を半田付けして行きます。

 同様に背の低い部品順に半田付けしてゆきます。ここでBNCコネクタの取り付けPinの半田付けに難儀しました。熱容量が大きくワッテージの小さな鏝では対応しかね、最悪基板の部品をダメにする可能性さえありそうです。

 はんだ付け終了後、フラックスを除去するため「IPA洗浄→エタノール洗浄」をし、小一時間乾燥させました。

 

電源の作成

コンバータ

コンバータ

 

 このKitは5Vと±12Vの電源が必要になります。何か良い物が無いかと探していると、良さそうな物が見つかりました。例によって大陸製ですが入力3.3V~11Vの単一電源で、±12Vを生成するモジュールです。早速発注しましたが、色々調べていると「安定して使うには出力電流を15mA以上にしろ」と書いているではありませんか。「秋月さん」の説明では「±12Vは0.5mA以上」とのことです。

 



 入手できましたので確認してみました。出力が±12Vですので、出力に抵抗(1/4W)を繋ぎテスターで抵抗の両端電圧を見て見ます。結果は

 入力:5.0V,0.5mA(R=24k) → +12.41V:-12.19V
 入力:5.0V,1mA(R=12k) → +12.41V:-12.17V
 入力:5.0V,5mA(R=2.4k) → +12.41V:-12.11V

となっていました。

 さてリップル等も見て見ます。先日購入したDSO138miniの登場です。入力方法(カップリング)はACカップリングにしています。入力電圧5.0V,出力電流0.5mA・1mA・5mA時の+12Vと-12Vを見ています。

 取扱ショップの注意書きには「出力電流が15mA以下では出力が安定しない」とありましたが、何とかそのまま使えそうです。早速入力5Vでの電源をブレッドボードで作ってみます。これをファンクションジェネレータの電源ラインに繋いで動作を確認しました。

 結果は「使えました」。

動作確認と改良

 さて信号を出力してみると、とんでもないことになっています。Sin波は5kHzでもうダメです。仕様ではMax65.5kHzのはずです。三角波はOKですがノコギリ波もダメダメです。

 さてどうしたものかと調べていると、やはり同じ問題の解決方法を実施しておられる方が見つかりました。

※ LM358を変更することにより、高周波数域での波形が改善されるとの情報を「URL;http://cba.sakura.ne.jp/sub04/test11.htm」で見つけました。OPをTL082やNJM082の高スループットに変更するとのことです。但しこの場合キャパシタの追加が必要とのことです。(LF412は如何かな? ← 他に手持ちがないので、ひとまずOKとしました)

 また別のH.P「URL;https://edycube.blog.fc2.com/blog-entry-855.html?sp」ではOPの電源ラインにパスコンを追加して、観測波形が改善されてとの情報もあります。

早々に追加工してみました。劇的な改善です。

 まずはオペアンプの交換とパスコンを追加してみます。手持ちにLF412しかありましたので、他のオペアンプは確認していません。使ったコンデンサは積層セラミックコンデンサの0.1uと0.01uを電源ラインに入れてあります。

 やはり先達の言葉通り「電源ラインの改良」と「オペアンプの変更」は有効でした。そのまま組み立てた物では、7.5kHzでもサイン波が乱れていますが、オペアンプを変更するとこのジェネレータの最高周波数65.5kHzでもきれいなサイン波を発生しています。また LN358では周波数が高くなるにつれて出力電圧が落ちましたが、オペアンプを変更するとそれほど落ち込まない事が分かりました。
 矩形波とノコギリ波での「ヒゲ」が気になりますが、いい加減な配線で見ていますので、その影響があるのかもしれません。

 オペアンプ等を使う場合、よほどの事が無い限りやはりパスコンは入れておいた方が良いはずだと思います。

感想

 これから購入される方はこのKitを購入する際、別途オペアンプとパスコンを追加購入された方が良いと思います。また 私は試していませんが周波数が信号低い為、入力コネクタはBNCではなく何とか工夫してRCA等他の物にした方が、使い勝手が良いのではないかと思います。私もそのうちRCAコネクタに変更したいと思います。

 変更するオペアンプですが、手持ちの関係から「LF412」にしましたが、伊藤氏のHPで確認試験をされて良い結果が得られたとされる「TL082」か「njw082」にされた方が良いかもしれません。私は確認していませんが、もしかすると「LF412」に比べ、矩形波などのヒゲが少なくなるのかもしれません。

 

 この「ファンクションジェネレータ」を使って、簡易オシロ「DSO138mini」の追従を確認してみました。興味のある方は「2-3.簡易オシロ「 DSO138mini 」の購入と製作」を覗いてみてください。結果は「DSO138miniも結構遊べる」です。

壊したアキシャル型マイクロインダクタ 2020.04.14追記

 壊してしまったマイクロインダクタですが、確認のため取り寄せていた物が届きました。

アキシャル マイクロインダクタ

アキシャル マイクロインダクタ

 

 早速比べてみましたが、正解は1/4W:0307と呼ばれている物のようです。ちなみに秋月さんでは「165mA」と紹介されている『アキシャル マイクロインダクタ」の100μHのようです。

 私のように壊してしまった方は参考にしてください。私は某オークションで入手した1/2W:0410と呼ばれている物を使っていますが、秋月さんでは1.1Amaxと紹介されている物で、入手時は「275mA」と説明されていました。どちらでも問題は無いようです。