息子が東京に用事があるとのことだったので、秋月さんで部品の購入を頼みましたが「面白い物があったので追加で買ってきた」と「MPLAB Snap」を受け取りました。
 Webで情報を探してきましたが、余り見つかりませんでしたが、結構面白そうなので弄ってみることにしました。

MPLAB Snap_PICKit3との比較

MPLAB Snap_PICKit3との比較

 

 手持ちの「PICKit 3」と比較すると、主に下記の違いが大きいようです。

  • MPLAB X v5.05以前には対応していない(私はv5.10でしたのでOKでした)
  • 安価 PICKit 3=¥5,000 vs MPLAB Snap=\1,740 (秋月さんの価格)
  • 高電圧書き込みに対応していない(旧来のPICは使えない)
  • 標準では外部電圧が必要(改造でPICKit 3同様になる)
  • スタンドアーロンで使えない(まだ確認はしていません)
  • USBコネクターが違う(PICKit 3=USB miniB vs Snap=microUSB)
  • ケースが無い(基板むき出し)

 以上が主な違いですが、これからPICをいじってゆくには問題ないのではないかと思います。何より価格が安く、趣味でこれからPICを始めるにはもってこいの物ではないかと思い、「LED照明」のPICプログラムで行き詰っていることもあり、プログラムと並行して「MPLAB Snap」を使ってみました。

USBケーブルにはまる

 取り敢えず携帯電話の巻き取り式ケーブルが手元にありましたので、気にもせず接続しMPLAB x v5.10で動作確認済みのPIC12F1822用のプログラムを書き込んでみました。
 書き込み器を“PIC Kit 3”から“Snap”に変更し、外部電源をUSBから取って書き込んでみますが、“電圧が足りない” “書き込みに失敗した”とのメッセージが出てきます。“低電圧書き込み書き込み”に対応するCONFIGbit _LPV_OFFでしたので、_LVP_ONにしても同じでダメです。

MPLAB Snap_USB充電器

MPLAB Snap_USB充電器

 

 PCのUSB電圧が低いのかと思い、USB充電器に繋ぎ変え電圧を見ながら書き込んでみましたが、電圧は十分なのに書き込みできません。

 
 もしやと思い、カミさんの使っている物を使っても同じです。PCの“デバイスマネージャー”を見ても「MPLAB Snap」は認識されていません。「PICKit 3」に繋ぎ変えてみるとデバイスマネージャーで認識されています。

MPLAB Snap_百均ケーブル

MPLAB Snap_百均ケーブル

 

 ここで使っているケーブルが問題じゃないのかと思い、近所の(とは言っても車で5分程度かかりますが・・・・・)百均で「Data対応」というケーブルを買ってきました。

 気を取り直してケーブルを変えてやってみると、デバイスマネージャーで認識しています。書き込んでみると無事書き込めました。

 PICKit 3でうまくいかなかった(と思い込んだ)ブレッドボードも試してみましたが、今度はうまく書き込めました。

MPLAB Snapプチ改良(電源追加)

MPLAB Snap_電源取り出し部

MPLAB Snap_電源取り出し部

 

 安価で手に入るメーカー製の書き込み器ですが、外部電源が必須なのでは使い勝手が悪いので、調べていると「Snapの基板に電源が出ている」との記事を見つけ、基板を見て見ると確かにありました。

MPLAB Snap_電源改造

MPLAB Snap_電源改造

 

 改造になるのでメーカーの保証は受けられなくなりますが、この価格ですからあきらめもつきます。早々にVddとVssに電源を半田付けし、書き込みを確認してみました。

 結果は“OK”です。無事書き込みできました。

 某国に発注してあった“ZIFソケット”が届いたので、これをブレッドボードに刺して書き込んでみましたが、難なく書き込み成功です。

※ 電源ラインについて 2019.02.10追記
 Vss(3Pin)は基板上のGNDと繋がっているようです。このためGNDとVss(3Pin)を結線する必要はなさそうです。GNDは面積が大きく熱が逃げるため半田付けしにくく、半田付けの熱で「MPLAB Snap」を壊すリスクが大きくなります。
 また 熱に弱いので、使用する半田は融点の低い「共晶半田」を使うのが無難だと思われます。かく云う私もGNDラインの結線を外すときに熱を掛け過ぎ、一つダメにしてしまいました。
 プチ改造を行う方は十分気を付けてください。

MPLAB Snapを使ううえで(書き込みのみですが・・・・・)

 今回やってみてこの「MPLAB Snap」を使ううえでの気づいたことをまとめてみました。

  • 使用するPICは“低電圧プログラミング”に対応している物を使う。
  • PICのCONFIGで“LVP_ON”を指定して“低電圧プログラミング”を行えるようにする。
  • 書き込み用電源を用意するか、プチ改造で電源を供給する。
  • 使用するUSBケーブルは“データー対応”の物を使用する。(相性問題があるかも・・・・・)

 以上ですが、この値段で書き込み器が手に入るのであれば、PICのハードルが相当下がるのではないでしょうか。
 但し基板むき出しですので、ショートしないようにケースに入れるか養生テープ等で絶縁してから使用した方が良いのではないかと思います。

 私は近いうちに書き込み用に何か対策をとってみたいと思いますが、基板には取付用のネジ穴が無いのでひと工夫必要ですな。それと放熱対策も、結構暖かくなりますので、ケースに入れるには必須かもしれません。

※ 「MPLAB Snap」を取り付けた「PIC 書込み器」を作りました。興味ある方は「0-2-1.MPLAB Snap組込み PIC書込み器の製作」を覗いてみてください。