「MPLAB Snap」が値上がりしていました。

 ここのところPICの書き込みは「MPLAB Snap」を使っていますが、何気なく秋月さんの価格を見て見ると¥2,400になっていました。送料込みでほぼ¥3,000になります。

 私が購入した時は¥2,000以下でしたので、結構値上がりしたことになります。「MPLAB Snap」は小さくて使い勝手も良いのですが、PICの書き込みに際して「LVP」にしか対応できません。
 「PICkit3」は正規の物を持っていますが、現在秋月さんでは取り扱いが無いようで、正規の物は「PICkit4」となり¥6,600もしています。これでは中学生などが手を出すには高価すぎると思いますので、「書き込めない」等云われていますが、本当にそうなのか巷で評判の「PICkit3 クローン」を購入してみました。

「PICkit3 クローン」購入

 購入したのはAliExpressで「書込みアダプタ」が付いて送料込み$12弱の物です。注文後20日前後で入手できました。

 一見すると正規の物との違いはMicroChipのロゴが無いだけですが、基板を見ると基板の裏には部品が付いておらず、表面のU11・U12等が載っていません。

 また「書込みアダプタ」を見て見ると、ほとんどのPICに対応できるようですが、配線に不安があります。取り合えづ8PinのPIC12F1501が使えるか確認してみると、余計な結線はされていないようですので、この「書込みアダプタ」を使って動作確認をしてみました。
 書込み確認のプログラムはPIC12F1501を使った「PWM+タイマー」のプログラムです。「MPLAB Snap」で書き込んで動作は確認してある物です。
 書込みソフトは「MPLAB XIDE Ver5.15」です。最新Verではないのですが、Ver5.40以降では正式に「アッセンブラ」をサポートしないようになってしまい、仕方なく使っています。とりあえずVer5.35までは確保してありますが、別段不具合もないので、そのままにしてあります。

動作確認

21.03.30_h10

PICkit3と書き込みアダプタ接続

 

 さっそくPICKit3のクローンを接続し、電源を「PICKitから供給」に設定し直し書込みをしてみましたが、「書込み電圧が足りない」というようなメッセージが出て書き込めません。
 この現象は正規の「PICKit3」でも出る現象で、供給電圧の設定を下げると書き込めます。
 ひとまず設定電圧を「4.5V」にして再度書き込むとOKです。次に設定電圧を上げ「4.625V」でもOKでしたが、「4.75V」ではNGでした。

低電圧対処(PICKit3からの電源供給時)

 この症状の対応策はMICROCHIP社からエラッタが出ていて、74LVC1T45のPin6に接続されている抵抗100Ωをショートすることになっています。

 早速基板の中から指定されているR26・R43・R45を探しましたが、U11(74LVC1T45)が搭載されていないので当然R45はなく、R26・R43をショートしました。前回と同様にし、設定電圧を「5V」にして書き込むと無事書き込みに成功しました。

 Webで検索すると多々記事がありますが、こと「クローン PICkit3」に関しては、エラッタにある「抵抗のショート」に関して書かれていないようです。年寄りにとっては「目が見えない」「手が震える」等の症状でキビシイ作業ですが、やって損の無い改造だと思います。

所感

 これからPICをいじってみようと思われている方は、安価なこともあり、到着までの時間が掛かることが我慢できれば「クローンのPICkit3」は買いなのではないでしょうか。
 付属した「書込みアダプタ」ですが数種類が流通しているようですので、入手後自分が納得できる仕様なのか、書込み前に十分確認する必要があります。下手をすると「PICが昇天」されますので、くれぐれもチェックをお忘れなく。

不具合発生

 後日「PICKit3 クローン」を使ってみると書き込みが出来なくなり、試しに本家の「PICKit3」を使っても書き込みが出来ないことが確認出来ました。

 使用しているPCのUSB出力電圧が不安定なだけではないようです。使用したPCはデルのInspiron 1545という10年以上前の物です。試しにVddに外部から5Vを供給すると、どちらも問題なく書き込みが出来ました。
 新しいPCを使用すれば問題ないのかもしれませんが、「PICKit3」で安定的な書き込みを求めると、正規・非正規(クローン)共に「外部電圧供給」で使用する必要がありそうです。

 テスターでVddを見て見ると常時1.05Vしか掛かっていません。正規の物を見て見ても最大で4.5Vしか掛かっていませんでした。ちなみにUSBの電圧を直に見て見ると5.01V出ていました。どうもPICKit3はあまり安定した電圧を出せない様子ですので、やはり外部からのVdd供給が必要な様です。

 但しせっかく「PICKit3」だけで書込みが出来るのに、別途外部電源を用意するのでは魅力が半減してしまいますので、何とかしたいと思います。

 書き込み時のVdd供給源の変更方法については、色々なサイトで詳しく紹介されていますので、「PICKit3 設定」等で検索されると良いと思います。

PICKit3クローンの改造

 書き込み時PICKit3(本家を含めて)からの電源供給は捨てがたい利便性があります。しかしVddをPICKit3からの供給にすると、多くの場合「書込み電源電圧不足」が発生するようです。そこで安定的に書き込むために「外部電源供給」になるのですが、外部電源を用意するのが面倒です。

 USBの外部への電流制限値は500mA有ることになっていますので、これをうまく利用できないか?と思い、「MPLAB Snap」で行っているように、「同じUSBから別配線で外部電源供給にする」方法を採ってみることにしました。
 さすがに「本家PICKit3」を改造するのは気が引けるので、購入した「PICKit3クローン」を改造してみました。

 PICKit3のマニュアルを見て見ると、PICKit3はどうも100mA程度の消費電流のようですので、一般的なUSB出力を使う場合400mAまでは同一USBポートから供給可能なはずです。できればPICKit3のケースに切替スイッチを組み込んでしまいたいので、組込み方法を考えるため再度本体開腹しました。←※ 結局安定的に使用するには外部からのVdd供給に落ち着きましたので、無駄な作業になりました。

PICKit3_入出力結線図

PICKit3_入出力結線図

 

 うまい具合にminiUSBの+5VがU2に出ているのを見つけましたので、ひとまずここから+5Vを取り出して、出力のVddに結線してみました。回路図と改造箇所(結線箇所)は以下の通りです。

結果はOKで、電源供給をPICKit3にしても外部からにしても書き込めました。
試しに「Programmer To Go」でも試しましたが、クローンでも同様に書込みできました。

 

動作確認

 動作確認の出来ているプログラムを使って、動作に異常の無いことを確認してみます。
 使ったプログラムは「PIC12F1501 _Timer2」です。
 一応プログラムの確認のため、「本家PICKit3」でPCからの書き込みとProgrammer To Goで確認してみました。

※ 安定的に書き込むためには外部電源が必要な事が分かりました。
 もしこれから改造する方は、ただ単にPICKit3のminiUSB V+をPICKit3の出力ピンに結線するだけで良いようです。このように改造してもMPLAB XIDE でPICKit3からのVdd供給に設定しても書き込めました。(良し悪しは分かりませんが、結果オーライと云うことで・・・・・)

使ってみて

 今まで何も気にすることもなく、書き込み終了後PICを取り外していましたが、PICKit3から供給されるPICへのVddを見て見ると、何と書き込み終了後にVddに電圧がかかっていることがわかりました。「これだからクローンはダメだな。」と思い、正規のPICKit3に換えて同様にしてみると、何と正規のPICKit3も同様でした。

 但し PICに供給されるVddを見て見ると、「PICKit3 クローン」は正規の物と比べてみるとグランドが浮いているようで、0Vに下がりきっていないようです。どなたかが指摘されていましたが「PICKit3 クローンはオペアンプを端折っている」とのことですから、オペアンプに代わって使用しているだろうダイオードもしくはトランジスタのせいではないかと思います。

 ま メーカーもこのような仕様で出しているのですから問題ないのかもしれませんが、「精神衛生上」よろしくないので、書込みアダプタを作ることにしました。

 私が使うのはせいぜい20ピンまでですが、試しに40ピンのZIFソケットで作ります。書込みに使用するピンの切替は、8/14/20ピン用,18ピン用,28ピン用,40ピン用の4仕様に対応する必要があります。一番簡単な方法は、PICKit3を接続するコネクタを4種類付けることですが、切替をどのようにするか悩むところです。今回は基板用コネクタを使うことにしました。

 回路図は以下の物を考えましたが、今回作るのは8/14/18/20/28/40ピン対応のVer3にします。

※ すみません!! 書込みアダプタの結線を間違えていました。間違えていたのは書込みアダプタVer2とVer3の18Pin用のPGCとPGDが入違っていました。 2021.05.02追記

 結構な配線量が有るので、久々にプリント基板を起こすことにしました。これから作業を開始しますが、どうなることやら。結果は後ほど・・・・・

別種のPICKit3  2021.05.24追記

 某大陸通販で前回購入した「PICKit3クローン」とは違う物を見つけました。タイムセールとかで安くなっていたので、試しに購入してみました。

パチモン_PICKit3

パチモン_PICKit3

 

 20日ほどで手元に届いた物がこれです。

 前回購入した物は「クローン」といって良いと思いますが、今回購入した物はさすがに「クローン」とは呼べず、ロゴまで同様にしてあるので「クローン」ではなく「パチモン」と呼ぶのが正しいと思います。

正規品とパチモン比較_正面

正規品とパチモン比較_正面

 

 さっそく正規品と比較してみます。表面はぱっと見「同じ?」と思えますが、「ケースが半透明」「会社のマークが赤地ではない」こと等、違いがあります。

正規品とパチモン比較_裏面

正規品とパチモン比較_裏面

 

 さらに裏面を見ると、正規品にあるシールが有りません。

 内部を開けて基板を見ると部品面の構成が違っています。
 さらにこの「パチモン」も「クローン」同様半田面には一切部品が有りません。(製造コストを下げるためだと思いますが・・・・・)

 前回同様Vdd内部供給で書込みの確認をしましたが、電圧設定を4.5Vにすると書き込めました。また「Programmer To Go」も機能しました。しかし、いつも同様に書き込めるとは限りませんので、最終的には「疑似外部給電(同一USBからのVdd供給)」にするつもりです。
(改造箇所は、「クローン」同様miniUSBの+Vddを直接Vdd供給ピンに直結すれば良いはずです。)

パチモン_基板改造部

パチモン_基板改造部

 

 改造の結線はここのようです。

パチモン書込みVdd_内部供給

パチモン書込みVdd_内部供給

 

 書き込み時のVdd電圧を見て見ると、「クローン」とは違いVdd OFF時に0Vがきっちり取れていました。

 今となっては本家の「PICKit3」は販売中止になっているので、「PICKit3クローン」の販売は問題ないのかもしれませんが、折角正常に機能する物なのに、わざわざ「パチモン」にする必要は無いのに、もったいないことです。
 全て同一の基板を使っているかどうかは分かりませんが、若し「PICKit3」の購入を考えている方の選択肢に加えても良さそうです。但しあくまで「パチモン」ですが・・・・・

「PICKit3」用書込みアダプタの再考  2021.06.07追記

  パッチモンの「PICKit3」等での「書込みアダプタ」の基板を作りましたが、「部品面」と「半田面」を間違えて発注してしまい、とてつもなく奇妙な基板が出来上がってきてしまいました。
 この際、正規品とクローン共に安定的に書き込めるよう、外部電源も取り込めるように作り変えてみることにしました。
 外部電源供給に関しては「miniUSB」から取り込むようにし、スイッチで切り替えられるようにしておきます。

PIC Writing Adapter

PIC Writing Adapter

 

回路図はこのようにしました。

 今度は「部品面」と「半田面」を間違えないようにするつもりですが、「ジサマ」のため出来上がってみなければわからないのが、ちょっと寂しい気がします。