コムスを購入してから1年半が過ぎました。購入時46,319kmでしたが2024.09.06時点で48,280kmとなりほぼ2,000km走ったことになります。ここのところ猛暑日が多い2夏を過ぎましたので、タイヤローテションをするついでにブレーキフルードとデフオイルを交換することにしました。
デフオイルは2023.04.20に46,486kmで交換したのが最後で、ブレーキフルードに至っては初めての交換になります。業務用に使われていた車体ですが、ブレーキフルードは3年近く交換されていない物と考えられます。回生ブレーキを多用するコムスですが、一般的に車検が有る場合、車検時にブレーキフルードは交換されていますので、3年が限度と考えられます。
この辺が車検の無い車両の怖い所ではないかと思いますが、皆さんは如何されているでしょうか。
用意した物
デフオイル:75W-90 プログレで使用している物
デフオイル用ディスペンサー:オイラー 250mL(プログレで使用している物)
ブレーキフルード:BF-3( DOT-3 ) 500mL
ブレーキオイル用ディスペンサー:AZ オイラー 150mL
ペットボトル:ブレーキフルード抜き取り用
逆止弁:要補修(そのままではオイルが漏れだしました。)
デフオイル交換
交換前の準備としてデフオイルを温めるため近所を一周してきます。また入れるオイルも日向に置いて温めておきます。これは75W-90と年後が高いオイルですので流動性が悪く、抜くにしても入れるにしても流動性を上げておいた方が作業が楽になります。この点ではこの夏の異常な高温はあっていますね。
いよいよデフオイルを交換します。
デフの上方にあるフィラーボルト(オイル注入口のボルト)が緩められることを確認します。(過去にオイル排出後ボルトが緩まず焦ったことが有りますので、十分注意して下さい。)
オイル受けを用意しドレインボルトを外し、注入口のボルトを外します。
デフオイルは約250mL抜き取れました。
オイルが抜けきったら、ドレインボルトと取付口を掃除しドレインボルトにパッキンを付け締めます。本来は新しいパッキンにするのですが、今回は表裏を入れ替えて再利用しました。
オイル注入口からオイルが漏れるまで、オイラーでデフオイルを注入します。(寒い時期ですとオイルが固く結構大変な作業になります。)
注入後ボルトと取り付け部を掃除し、ボルトを締めます。
今回は抜いた量が約250mL,入った量が約300mLでした。たぶん前回はジャッキアップしないで抜き取りましたが、今回後輪側のみジャッキアップして前傾姿勢で作業したためではないかと思います。
抜き取ったオイルはまだモリブデンを含んで黒く、ドレインボルトのマグネットに鉄粉も見られたので、再度2,000km走行後交換の必要がありそうです。
ブレーキフルード交換
※ ブレーキフルードが他所に付着しないよう慎重に作業してください。もし付着した場合速やかに除去してください。
前輪に輪留めをかけ、タイヤローテーションの為四輪のホイールナットを緩めておきます。
ジャッキアップして車体下4ヵ所にウマを掛けます。
ジャッキポイントはサービルマニュアルを参照してください。
ホイールを外します。
メンテナンスホールを開けます。
リザーバータンクの周りにウエス等を巻き付け、こぼれないようにして置きます。
フロントのメンテナンスホールにあるブレーキフルード リザーバータンクの蓋を開け、中に入っているフロートを取り除きます。
タンク内の古いブレーキフルードをピペット等を用いて抜き取りますが、エアー噛みを起こさないようにするため完全には抜き取らないようにします。
抜き取れた古いブレーキフルードは約50mLでした。抜き取り様のペットボトルに入れておくと、万が一エアーを吸い込むことを防げます。
新しいブレーキフルードをタンクいっぱいに注ぎます。
左後輪のブリーダーバルブ周辺を清掃し、ブリーダーバルブのゴム栓を外します。
#8のメガネレンチをブリーダーバルブに通し、用意したオイル抜きをセットします。ここで疑問ですが、なぜメガネレンチなのかわかりません。普通にスパナーでも良いように思えます。
メガネレンチでブリーダーバルブのナットを緩めてブレーキフルードを抜く準備をします。
フットブレーキを最後まで押し込むことを数回し、リザーバータンク内のブレーキフルードの量を確認し、減った量を継ぎ足します。この時絶対にタンク内のブレーキフルードが無くならないようにします。ブレーキフルードがタンク内に無くなってしまうと、エアー抜き作業が必要になります。
液面の低下を確認してみると、ブレーキの踏み込み5回で10mm,10回で20mm,15回で30mmでしたので、一人で作業する場合15回踏み込むことを目安にブレーキフルードの補充をするとよいのではないかと思います。
排出されるブレーキフルードが新しい物に置き換わったことが確認出来たら、一旦ブリーダーバルブのナットを締めます。
フットブレーキを最後まで何回か押し込み、ブリーダーバルブのナットを少し緩め、ブレーキシリンダー内に残っているエアーを抜きます。何回か同じことを繰り返し、エアーが出ないことを確認出来たら、ブリーダーバルブのナットを確実に閉めます。
チューブを外しブリーザーバルブ周辺に付着したブレーキフルードをふき取り、キャップを取り付けます。
左後輪から抜き取り作業を始め右後輪・左前輪・右前輪の順に抜き取り作業を行いました。入れ替わりにかかるブレーキの踏み込み回数ですが、
左後輪10回以上15回以下→15回
右後輪5回以上10回以下→15回
左前輪5回以上10回以下→15回
右前輪5回以上10回以下→15回
抜き取ったブレーキフルードは全量で約250mLでした。それほど大変な作業ではないので、安全のためにもこれからは2年に一回は交換するようにしたいと思います。
ネットで調べても載っていませんでしたので、以下に私が使用した量を書いておきます。
ブレーキフルード リザーブータンク内のブレーキフルード容量:50mL
交換に使用した全容量:250mL
でしたので500mLで十分間に合いました。ブレーキフルードは吸湿性が高い為、あまり日持ちがしません。交換に合わせて新規に購入して方が良いと思います。
最後にリザーバータンクの周りに着いたブレーキフルードをパーツクリーナーでふき取り、フロートを入れMAXまでフルードを追加して蓋を閉めます。
ブリーダバルブのメクラ栓ですが、まだ弾力性がありヒビ割れ等もなかったのでそのまま使いましたが、硬くなっている様なら交換した方が良いと思います。部品表ではASSYでしか乗っていませんが、ディーラーにお願いすると入手できるかもしれません。もしディーラーから購入できないとしたら、たぶん汎用品で流用できるのではないかと思います。
タイヤのローレーション
コムスのマニュアルでは2,000km毎のタイヤローテーションが推奨されています。一般的な車の場合15,000kmまたは12か月点検でのローテーションだと思いますが、コムスの場合特にフロントタイヤのトー角がきつい為周期が短いのではないかと思います。
さてタイヤのローテーションですが、方向パターンの無いラジアルタイヤの場合後輪を前輪に入替、前輪は左右入れ替えて後輪に入れ替えることになるようです。バイアスタイヤの時には前後左右入替だったと思いましたが、どうなのでしょうね。タイヤメーカーが言っているのでそのようにしますが、ジサマには??です。
ここで今回は関係ありませんが、コムスの場合スペアタイヤが無いうえジャッキポイントが一般の車と違い“面”で受けるため少々面倒です。
先程外したタイヤの順序を間違えないように取付、ウマを外した後ナットを本締めします。
本締め後、空気圧を規定圧に調整して終了です。
本当はホイールナットの締め付けトルクはトルクレンチで管理するのが良いのでしょうが、いつも”手ルクレンチ”で管理しています。
これで一安心です。
今回行った作業に関係するサービスマニュアルの写しを追加しておきますので、必要な方はご覧ください。
ブレーキフルード ワンマンブリーダー(逆止弁)
ブレーキフルードの交換を2人で作業する場合、一人がフットブレーキを踏み込むたびにブリーザーナットを締めることで交換しますが、一人で作業するときには逆止弁を使用するか、シリンジ等で吸引するかして行うことになります。
今回ブレーキフルードは樹脂に対して攻撃性が高くそれほど高価でもない為、金属製の逆止弁を購入しました。
購入した物はたぶん中華製だと思いますが、送料込みで\600程度でした。が 案の定中華製あるあるで仕上げが悪くねじ込み部もゆるゆるでしたので、分解しバリ取りを行いねじ込み部はシールテープで処理しておきました。
廃液受のペットボトルはそこまで排出チューブが届くようにし、空気抜け用の小穴をあけておきました。
使用する場合安全の為この逆止弁をブレーキシリンダーより上に吊り下げて逆流しにくくしておきました。
また吸い込み側と排出側の径が違い、吸い込み側は内径Φ6,排出側はΦ4がぴったりでした。
作業後の感想
デフオイルの交換は効果が分かりませんが、ブレーキフルードに関しては“なんとなくぶれーいの踏みごたえがしっかりしたような”気がします。フラシボー効果な様な気がしますが、しばらく安心して使用できるので“良し”とします。
追記
今回行った作業に関する整備書をアップしておきます。作業前に一読しておいた方が良さそうですので、参照してください。