私が水槽の温度調整に使用しているサーモスタットですが、大陸製のSTC-1000を使用しています。結構高機能で使いやすいのですが、大陸製の御多分に漏れず結構な頻度でセンサーが駄目になります。
センサー部はSUSチューブになっていますが、あまり品質の良い物ではなくそのままでは腐食するため、私は対策としてセンサーにシリコンチューブを被せて使用しています。
また センサーの断線等がたまに起きますので、常に何本か用意しています。
センサーを入手した時に、全ての抵抗値(10kΩ前後)を確認するのですが、結構な頻度で短絡や断線している物が混じっていて、日本では考えられないような状況です。ま 安いので仕方がありませんが・・・・・
さて設定方法ですが、私なりに行っている方法を書き留めておきます。
使い方
電源:電源ボタン①を長押し(3秒くらい)しON / OFFする。表示されている数字は測定温度です。
設定方法
セットボタン②を長押し(3秒くらい)し、設定に入ります。設定モードで何も操作しないで10秒経過すると、設定モードが解除されます。
F〇と表示が変わります。上下の矢印で表示される設定項目F〇を選び設定します。
各設定値を設定するときは、セットボタン②を押しながら上下の矢印ボタン③または④で希望する値にします。
設定が終了した後、電源ボタン①を押して設定を記憶させます。
電源ボタン①を押さないで終了した場合、設定値は変更されませんので、注意が必要です。
F1:設定温度 小数点1桁
F2:動作範囲 小数点1桁
F3:切替遅延時間 小数点1桁
水槽の大きさに寄りますが、よほどのことが無ければ1.0(分)で良いかと思います。
F4:センサー温度校正 小数点1桁
F4:センサー温度校正方法
NTCセンサーの温度校正を行うための項目です。
センサー(NTC)の値が結構ばらついていて、物によっては構成しきれないことが有りますので、注意が必要です。
- 校正方法は水槽内にセンサーと基準となる温度計を出来るだけ近づけて設置し、
しばらく置いてセンサーを安定させます。 - STC-1000に表示される温度と、基準となる温度計の温度を読み取ります。
- STC-1000をセットモードにしF4の設定値を変更し、STC-1000の温度と基準温度計の値が同じになるようにします。
具体的には基準温度計の温度が22.5℃で、STC-1000の表示が20℃となっている場合、F4の値を2.5に設定します。こうすることでSTC-1000の温度表示が22.5℃となります。
動作
加温の場合:
設定温度-動作範囲温度になるとヒーターがONになり、設定温度になるとヒーターがOFFになります。
例えばF1=22℃,F2=2℃にしている場合20℃になるとヒーターがONになり加温し、22℃になるとヒーターがOFFになります。この時F3で設定した時間(分)だけON / OFFの切替が遅れます。
冷却の場合:
設定温度+動作範囲温度になるとクーリングがONになり、設定温度になるとクーリングがOFFになります。
例えばF1=22℃,F2=2℃にしている場合24℃になるとクーリングがONになり冷却し、22℃になるとクーリングがOFFになります。この時F3で設定した時間(分)だけON / OFFの切替が遅れます。
温度設定方法:
例えば加温で22℃を希望温度とすると、F1=23℃,F2=2℃と設定すると23-2=21℃でヒーターがONし、23℃でヒーターがOFFしますので、中心値が22℃となります。
設定の確認方法:
動作中に上向き矢印③を押すと設定値(F1)が表示され、下向き矢印④を押すと動作範囲(F2)が表示されます。
センサーアラーム
センサーに不具合が生じた場合、ブザー音とエラー表示の警報が出て、全ての動作をOFFにします。
ブザー音は結構大きな音で “ EE ” と表示されます。ブザーを止めるにはどれかのキーを押すことで止められます。
NTCセンサーですので、短絡(ショート)で高温側、断線(オープン)で低温側に振り切れます。
また 確認したことはありませんが、測定温度が-50℃以下または99℃以上になった場合 “ HH ” と表示されブザーが鳴るとのことです。この場合もブザーはどれかのキーを押すことで止められるようです。
使用上の注意点
信号は接点出力ですので、制御対象機器の電源をON / OFFを行うだけで、電源の供給まではしていません。結構このことを勘違いされている方がいるようですので、結線図を確認して結線してください。
また 仕様に設定要容量が記載されていますが、内部を見てみるとどう見ても8・10Aの容量はなさそうで、3Aが限界ではないかと思います。
私は320W(160W 2本)で数年使用していますが、安全に使用するには別途外部に大容量の開閉器を用意する必要があると思います。
たまに800Wや1kWのヒーターに使っている方を見かけますが、そのうち接点が溶着してしまうか、断線するのではないかと思われます。